2026年10月23日更新:2026年6月・9月の日銀の利上げを反映し、返済額の試算を正しい値に直しました。
「金利が上がっている」というニュースを見るたびに、なんとなく不安になる。でも、自分のローンが実際にどうなるのか、よくわからない。
そんな方がとても多いと感じています。住宅ローンの金利の仕組みは、正直わかりにくい。「店頭基準金利」「優遇金利」「適用金利」……言葉だけ並んでも、何がどう変わるのかピンとこないのは当然です。
この記事では、まず金利の仕組みをシンプルに整理したうえで、これからの金利の考え方と、あなたの毎月の返済額がどう変わるかをわかりやすくお伝えします。
まず整理しよう。「金利」には3つの層がある
住宅ローンの変動金利を理解するには、次の3層構造を知っておくことが大切です。
| 層 | 名称 | 内容 | 誰が決める |
|---|---|---|---|
| 第1層 | 政策金利 | 金利のおおもと | 日本銀行 |
| 第2層 | 店頭基準金利(店頭表示金利) | 銀行が公表する「定価」 | 各銀行 |
| 第3層 | 適用金利 | あなたが実際に払う金利 | 店頭基準金利 ー 優遇幅 |
ポイントは全期間優遇型なら、「優遇幅(割引)」は契約時に決まり、完済まで変わらないということです(当初だけ優遇が大きい型もあるので、契約書で確認を)。多くの銀行では、日銀の利上げで店頭基準金利が上がると、見直しの時期から適用金利も同じ幅で上がります。
具体的な数字で見てみましょう(2026年5月現在)
| 金融機関 | 店頭基準金利 | 優遇幅(目安) | 適用金利(目安) |
|---|---|---|---|
| メガバンク3行(三菱UFJ・三井住友・みずほ) | 3.125% | △約2.18% | 約0.945〜1.0% |
| 千葉銀行 | 3.125% | △1.900% | 1.225% |
| 京葉銀行 | 3.125% | △1.900% | 1.225% |
| 千葉興業銀行 | 3.125% | 窓口にて確認 | 窓口にて確認 |
※2026年5月時点の各行の公式サイトの値です。その後、2026年6月・9月の利上げで店頭基準金利が見直されている場合があります。最新の金利は各行のサイトでご確認ください。
「店頭基準金利3.125%!?」と驚いた方、安心してください。あなたが実際に払っているのは、そこから大きく割り引いた金利です。メガバンクも地元の地銀も、店頭基準金利は横並びで同じです。差が出るのは優遇幅(割引の大きさ)と、団信の保障内容・手数料体系などです。
なぜ今、金利が上がっているのか
日本銀行は長年、景気を支えるためにゼロ金利・マイナス金利政策を続けてきました。しかし物価の上昇や賃上げの定着を受け、2024年3月にマイナス金利を解除。その後、2024年7月・2025年1月・2025年12月・2026年6月・2026年9月と段階的に利上げを実施し、政策金利は1.25%まで上昇しています(2026年9月18日決定、9月24日から適用)。
これを受けて、各銀行も店頭基準金利を引き上げており、多くの変動金利ローン利用者の適用金利が上昇しています。
これからの金利はどうなる?
日本銀行は2026年9月の公表文で、今後も「経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ」ていく考えを示しています(日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2026年9月18日)。
これまでの利上げは0.25%ずつでした。ただ、いつ・どこまで上がるかは経済や物価の状況しだいで、先のことは誰にも分かりません。大切なのは、「金利が○%になったら、自分の返済はいくらになるか」を知っておくことです。
あなたの返済額はいくら増える? 試算で確認
鎌ケ谷市周辺でよくある借入条件(3,500万円・35年・元利均等返済)で試算してみます。
| 適用金利 | 月返済額(目安) | 0.5%のときとの差 |
|---|---|---|
| 0.5% | 約90,900円 | ─ |
| 0.75% | 約94,800円 | +約3,900円 |
| 1.0% | 約98,800円 | +約7,900円 |
| 1.25% | 約102,900円 | +約12,100円 |
| 1.5% | 約107,200円 | +約16,300円 |
| 1.75% | 約111,500円 | +約20,600円 |
| 2.0% | 約115,900円 | +約25,100円 |
月1〜2万円の増加と聞くと「それほどでも」と感じる方もいるかもしれません。ただし、5年ルール・125%ルールが適用されている場合、返済額はすぐには変わりません。その代わり、利息が増えた分だけ元本の返済が遅れ、「未払利息」が蓄積される可能性があります。この点が、変動金利の見えにくいリスクです。
5年ルール・125%ルールとは?
変動金利・元利均等返済で、この2つのルールがある商品の場合です(ルールがない商品もあるので、契約内容を確認してください)。
5年ルール:金利が上がっても、返済額は5年間変わりません。ただし、利息と元金の内訳は変わります。
125%ルール:5年ごとの見直し時も、新返済額は前回の125%が上限です。返済額に上限はありますが、利息額に上限はないため、返済が進まず未払利息が発生する可能性があります。
「返済額が変わらないから大丈夫」ではなく、「知らないうちに利息だけ払い続けている」状態になり得る点に注意が必要です。
固定金利への借り換えは検討すべき?
「今のうちに固定金利に借り換えた方がいいですか?」という相談は最近よく聞きます。
結論から言うと、一概にどちらが正解とは言えません。固定金利はすでに将来の金利上昇を織り込んで上昇しており、変動金利との差が開いています。変動が今後緩やかな上昇にとどまるなら、変動のままの方が総返済額は少なくなる可能性が高い。一方、急激な利上げが続くシナリオでは固定の安心感が上回ります。
判断のポイントは金利だけでなく、「今の家計がどこまで返済増に耐えられるか」です。月1万〜2万円の増加に対して余裕があるかどうかを確認しておくことが、まず大切な一歩です。
不動産の売り買いへの影響は? 鎌ケ谷の場合
金利上昇は、住宅の売り買いにも影響します。金利が上がると借入可能額が下がるため、買い手が慎重になり、市場全体の動きが鈍くなる傾向があります。
鎌ケ谷市は市川・船橋・松戸と比べて地価がまだ手ごろな水準(2026年公示地価の住宅地平均:約10.5万円/㎡。千葉県集計)で、住むために家を探す方が多いエリアだと筆者は感じています。ただ、金利が上がると買い手の借入可能額が下がり、売却価格や売れるまでの期間に影響することがあります。売るかどうかは、家計と住み替えの計画とあわせて考えることが大切です。



