鎌ケ谷市の第3種農地・生産緑地、売りやすいは本当か?知っておきたい落とし穴

「市街化区域内の農地だから届出だけで転用できる」と思って相談に来られる方が増えています。確かに正しい。でも「売りやすい」には条件があります。生産緑地に指定されているかどうかで、話はまったく変わるのです。

この記事では、第3種農地の特徴と、近年鎌ケ谷市でも変化が目立ち始めた生産緑地絡みの動きについて、実態をお伝えします。

目次

■ 第3種農地とは何か

農地転用の可否を判断するとき、農地は区分(種別)によって扱いが変わります。その中で第3種農地は、転用が比較的認められやすい区分です。

特徴内容
立地市街地の区域内、または市街地に近接する区域にある農地
具体例鉄道の駅や市街地から500m以内の農地など、市街化が進んだエリアに存在する
転用の扱い原則として転用を認める方向で審査される

鎌ケ谷市のように住宅地と農地が混在するエリアでは、第3種農地に該当するケースが多く見られます。市街化区域内の農地であれば、農業委員会への「届出」だけで転用できるケースもあり、手続きの面では他の農地区分より格段にシンプルです。

ただし、ここで一点だけ確認しておきたいことがあります。それが「生産緑地」です。

■ なぜ「売りやすい」と言われるのか

第3種農地は、すでに市街化が進んでいるエリアにある農地のため、農業利用の継続よりも転用・宅地化を認める方向で審査される傾向があります。

農地転用の申請先は千葉県知事ですが、市街化区域内の農地については農地転用の「届出」で済む場合が多く、許可申請よりも手続きが軽くなります。買い手にとっても転用後の利用イメージが立てやすく、売却の話が進みやすい土地です。

「第3種農地は売りやすい」と言われるのはこのためです。ただし、それは生産緑地に指定されていない場合の話です。

■ 生産緑地とは何か、そして何が問題か

生産緑地とは、都市計画法に基づいて「市街化区域内の農地を緑地として保全する」ために指定された土地のことです。指定されると、原則として農業以外の目的に使えなくなります。

項目内容
指定後の制限農業以外の目的での利用・売却が原則できない
解除の条件①指定から30年が経過した場合(買取申出が可能になる)
解除の条件②農業の主たる従事者が死亡・農業に従事できなくなった場合
解除後の動き市区町村が買い取らない場合、農地として売却または転用が可能になる
固定資産税指定中は農地並みの低い税率が適用。解除後は宅地並みに跳ね上がる

つまり、生産緑地に指定されている間は、いくら第3種農地でも自由に売却・転用はできません。「市街化区域内の農地だから届出だけでOK」というのは、生産緑地の指定が解除された後の話です。

■ 鎌ケ谷市の生産緑地、今何が起きているか——街の風景が変わり始めた理由

1992年に多くの生産緑地が指定されました。その30年後にあたる2022年前後から、満期を迎えた生産緑地の解除・売却に絡む動きが全国的に増加しています。

筆者は幼少期から鎌ケ谷市で育ちました。小学生・中学生の頃は市街化区域の中に大規模な畑や果樹園、牧場まで点在していました。今でも市街化区域内に牧場が1つ残っており、住宅街の中に突然あの風景が広がる光景は、地元育ちの自分でも毎回少し驚かされます。

あの頃から見てきた農地の多くが、2022年前後から造成工事に入り、住宅地へと変わり始めました。生産緑地の30年満期と相続の発生が重なったタイミングで動き出したケースが多いのだろうと、街の変化を見ながら感じています。

■ 自分の農地が生産緑地かどうか、まず確認を

「売れると思っていたのに生産緑地だった」というケースは珍しくありません。まず現状を把握することが先決です。

確認事項確認方法
生産緑地の指定有無鎌ケ谷市の都市計画図(市窓口またはWebで確認可)
指定年・満期時期市の都市計画課に問い合わせ
固定資産税の現状納税通知書の地目・課税標準額を確認
農業委員会への届出・申請鎌ケ谷市農業委員会事務局(市公式サイトで最新番号を確認)

生産緑地に指定されている場合でも、満期の時期や相続の発生によっては動き出せるタイミングがあります。「うちの農地はどの状況か」を整理するところから始めましょう。

■ まとめ

第3種農地は確かに転用・売却がしやすい農地区分です。しかし、生産緑地に指定されていれば、その制限が解除されるまで動けません。

鎌ケ谷市内でも、2022年以降に生産緑地の満期を迎えた農地が街の風景を変え始めています。市街化区域内の農地だからといって油断せず、まず指定の有無を確認することが重要です。

不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

この記事が参考になったらシェアしてください
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次